職場の同僚や知人と住まいの話をしていると、多くの方が「4,000万〜5,000万円超の新築一戸建てや新築マンション」を35年フルローンで一発購入し、「持ち家だから将来の資産にもなる」と安心している場面によく遭遇します。
普段の会話で波風を立てることはありませんが、賃貸オーナーとして10年以上不動産市場と向き合ってきた私の目から見ると、「それは資産ではなく、典型的な負債を抱え込んでいる状態ではないか」と感じざるを得ません。
私が現在、投資用ワンルーム2戸と居住用リノベマンションを保有しながら、将来への不安を抱えずに生活できているのは、大学生の頃に出会った「ロバート・キヨサキの資産と負債の定義」を一貫して守り抜いてきたからです。
1. 大学生で読んだ『金持ち父さん 貧乏父さん』。胸に刺さった「資産と負債の境界線」
父から勧められて手に取った『金持ち父さん 貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ著)↗。一般的には「ラットレースを抜け出す」「投資家になる」といったキーワードが注目されがちですが、私が最も強い衝撃を受け、今なお実務の羅針盤としているのは、以下の極めて明快な定義でした。
キャッシュフローで測る「資産」と「負債」の絶対ルール
「自分のポケットにお金を定期的に入れてくれるもの」
保有することで配当や純家賃収入を生み出し、キャッシュフローをプラスにするもの。
「自分のポケットからお金を定期的に奪っていくもの」
所有しているだけでローン返済、税金、維持管理費などの現金流出が永久に続くもの。
この定義に照らせば、「自分が住み、毎月給与から返済し続けている自宅」は、法的な所有権が自分にあろうと、経済的には完全に「負債」です。
自宅は売却して現金化しない限り1円もお金を生みません。それどころか、固定資産税、管理費・修繕積立金、経年劣化に伴う給湯器や内装の修繕費はすべて自己負担です。5,000万円の新築を金利込みで約6,000万円のローンを組んで買う行為は、「6,000万円分の支出義務(負債)」を一身に背負っていることに他なりません。
2. 「新築・駅徒歩20分」が資産になり得ない理由
新築を購入される方の中には、「駅徒歩20分の新築戸建て」や「知名度の低い各駅停車しか止まらない駅の新築」を選ばれるケースが多々あります。「新築で綺麗だから、いざとなったら売ればいい」という安易な前提を置いていることが多いのですが、市場の現実は冷徹です。
建物は完成した瞬間に「新築プレミアム(2〜3割の広告宣伝費や業者の利益)」が剥がれ落ち、築年数とともに減価します。30年後に残るのは、ほぼ「土地の評価額」だけです。
【選定基準の対比】負債化する物件 vs 資産性を維持する物件
| 評価軸 | 負債化しやすい典型例 | 資産性を維持する実務基準 |
|---|---|---|
| 立地・駅距離 | 郊外・バス便・駅徒歩15分超 | ターミナル直通路線・駅徒歩10分以内 |
| 周辺インフラ | 商業施設が遠く車移動が必須 | 徒歩圏にスーパー、病院、生活基盤が集約 |
| 流動性・出口戦略 | 賃貸需要がなく、貸しても赤字になる | 賃貸需要が厚く、周辺相場ですぐ客付け可能 |
| 価格構造 | デベロッパーの巨額広告費が上乗せ | 価格下落が落ち着いた中古を実力値で購入 |
自分が住む家であっても、「いざとなったら賃貸に出して周辺相場より高く貸せるか?」「第三者が住みたいと思う立地・仕様か?」という賃貸オーナーとしてのシビアな目線(流動性の確保)を持たずに買うことは、極めてリスクが高いと言えます。
3. 総借入4,000万円・他人資本6割体制。返済の目処がすでに見えている理由
私は33歳で1戸目(浅草・約1,000万)を取得し、数年後に2戸目(笹塚・約1,900万)を追加。そして42歳でさいたま市の中古マンション(1,800万購入+900万リノベ)を購入しました。
投資用2戸と自宅のローンを合わせると、現在トータルで約4,000万円前後の借入残高があります。金額だけを聞けば「借金4,000万円」と重く受け止められるかもしれません。しかし、その内実(返済の質)は一般的な新築フルローンと180度異なります。
当ポートフォリオにおける「4,000万円返済の原資構造」
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全体の約6割(投資用2戸の返済):入居者の家賃(他人資本)が100%返済。自分の給与からの持ち出しはゼロ。
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全体の約4割(自宅リノベの返済):月額約9.2万円(賃貸時代の11.1万円より▲2万円削減された自己負担枠)。
自宅の住居費を毎月2万円浮かせ、投資物件のローンは入居者に返済してもらう。この仕組みが完成しているからこそ、自分の本業収入が家計にそのまま残り、「浮いた資金で株式投資を行う」「家族と気兼ねなく旅行に出かける」といった豊かなキャッシュフロー運用が可能になります。
4. 否定派も多いリノベーション。それでも私が選んだ理由
YouTubeやSNSを見ると、「中古リノベーションはコスパが悪い」「資産価値が残らない」と否定的な意見を発信する専門家も少なくありません。
確かに、割高なリノベ済再販物件を相場以上の価格で買ったり、配管を更新せずに表層だけを取り繕ったリフォームをしてしまえば、その批判は当たっています。
しかし、私が実践したのは「専任媒介で相場より200万円安く仕入れ、スケルトン解体で給排水管から新品に交換し、1416サイズの広々バスルームや全窓二重サッシ、和室解体による開放的LDKを自分仕様で組み上げる」という戦略です。
実際に購入・居住して5〜6年が経過しましたが、住み心地の満足度は極めて高く、周辺の家賃相場や取引相場を見ても十分に投下資本を上回るバッファを維持できています。何より「給与返済で生活が圧迫される恐怖」とは無縁の暮らしを送ることができています。
物件探しから住宅ローンまで一本化できるワンストップ大手2社
住居費を下げながら理想の注文空間をつくるには、物件仲介とリノベ施工を一括管理できるパートナー選びが不可欠です。
ひかりリノベ
専任の建物インスペクションを実施し、明朗な定額制パッケージで予算オーバーを防止。堅実な資金計画を重視する方へ。
リノベる。
業界トップクラスの施工実績。専属デザイナーによるオーダー設計やスマートホーム連携、ショールーム体験が充実。
まとめ:不動産は「戦略」を持ってレバレッジをかける
私は手放しで「誰でも不動産投資をすべきだ」と主張したいわけではありません。
しかし、住まいという人生最大の支出に対して「新築だから安心」「持ち家だから資産になる」と盲信して6,000万円もの負債を背負い込むことのリスクには、もっと自覚的であるべきです。
「他人資本で安全に資産基盤を築き、自宅は中古リノベで住居費を極小化しながら満足度を高める」。
この二重レバレッジの規律を正しく扱えば、毎月のキャッシュフローにゆとりが生まれ、将来の不労インカムへの道筋が確実に見えてきます。
次回は、賃貸オーナーとして実際に物件を貸し出した際、「入居者付けや管理実務でどのようなリスクに備えるべきか」という一次情報をお届けします。